映日堂

ほろほろくちどけよい日記

肉より魚な人生の中で、忘れられないステーキの味

気づけば、肉を積極的に食べない人生を送ってきた。

いつから肉に苦手意識が芽生えたか定かではないが、少なくとも小学生時代の給食では私の敵となっていた。

私は食べるのが遅く、よく昼休みも教室の隅でちみちみと給食と戦っていた。中でも豚肉のソテーなど肉系の料理は食べづらかったことを覚えている。

好きなメニューを2択から選べる給食では、必ず肉ではない方に決めていた。それは魚であったりエビであったりして、どちらも好きではあるが「肉を避ける」という消極的選択であった。

そんな経験が重なり、ある時「自分は肉が苦手なんだ」と自覚した。そこからはさらに肉を自分から食べることは減っていったように思う。

さて、そんな私でも素晴らしい記憶として残っている肉もある。それは、山口のとあるホテルで食べたステーキだ。

そのホテルは昔、家族旅行で訪れた。懸賞か何かで当たった宿泊で、普段の我が家の旅行で泊まる場所よりワンランク良いホテルであったはずだ。

宿泊した日の夕食は、そのホテルのレストランで。子供用メニューにだけステーキが含まれていた。今までの(短い)人生の中でステーキを食べたいと思ったことのなかった私は、特に期待もなくそれを口にしたのだった。

しかし、食べた瞬間驚いた。そのステーキはとても柔らかく、口の中で優しくほどけたのだ。給食などによって「塊の肉はカタい」という残念な固定観念を植え付けられていたのだが、そのとき思い知った。良い肉は柔らかいのだ。

もちろん、味も最高だったと記憶している。昔のことなので詳しい描写はできないが、とにかく柔らかくて味わい深くおいしかった。

この時の感動は今でもたまに思い出す。この経験のおかげで、私は完全な肉嫌いにならずに済んでいるのだと思う。

これから肉を好きになるかはわからないが、おいしい肉を追い求めてみるのも悪くないかもしれない。あのステーキに想いを馳せる時、いつもそう思う。

今週のお題「肉」